単球ラジオの製作 その2
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27

27は初期の傍熱型3極管で、ラジオを交流電源で使用するための検波管として1920代後半に開発された。
その後、改良されて5676と続くことになるが、これらの球は今でも真空管アンプの電圧増幅用として使われることがある。

その27であるが、アメリカの真空管屋に別の球を注文した際、間違って1本だけ送られてきたグローブ・シェープのMajestic G-27である。
返品するのにも送料がかかるので、そのまま手元に置くことにしたが、1本だけでは真空管ステレオ・アンプに使う訳にもいかない。
しかし、何とかして使ってみたいので、当初の開発目的であるラジオの検波管としていたずらしてみた。

実はスピーカーの鳴る単球ラジオの製作76を検波管として使用しているが、当時のセットはバラしてしまったので、今回は電源部も含めて1枚の木板(ブレッド・ボード)にまとめてみた。

回路

27を使う上でネックになるのはそのヒーター電源である。 27のヒーター電圧は2.5Vでしかも電流に至っては1.75Aもあり、電力増幅管の45の2.5V1.5Aよりも大きい。
27を使うためだけに、2.5Vのヒーター・トランスを購入するのはもったいないので、手持ちのトランスでなとかしてみる。
探し出したのは8V3Aのトランスである。このトランスは2次側に2Vきざみにタップがあり、1次側にも90Vのタップがあり、90V:2Vで使用すると27を点灯して2.5Vぴったりとなった。
B電源は200V:100Vのステップ・ダウン用20VAトランスを1次2次を逆にして使っている。
アンテナ・コイルはミズホのレプリカを使用し、負荷側のチョークは数年前、ラジオ少年から購入したものである。

実際に使用する場合は真空管アンプに接続してスピーカーで聞いている。

まとめ

やはり27を使う際にネックになるのは、2.5Vで1.75Aも流れるヒーターだと思われる。
ところが27が開発された1920代後半においては、画期的な球であったようである。
それ以前、検波管は直熱のみで電池で駆動するしかなく、その電池のメンテナンスが大変だったと何かで読んだ記憶がある。
そんな時代に傍熱(カソード付き)の検波管が開発され、商用電源で動作するラジオが出現したわけで、面倒な電池のメンテナンスから解放されたことになる。

残念ながら写真にあるホイップ・アンテナだけではうまく受信できないので、数mのビニール線を接続する必要がある。
自宅は東京都多摩地域であるが、これによりNHK第1、第2、AFN、TBSは問題なく受信できる。

そのままで56と挿し換えることができるが、やはり56の方が感度がよくなる。
27も56もヒーター電圧は同じ2.5Vであるが、ヒーターの点灯状況はかなり違っている。
27は点灯しているかどうかよく見ないと分からないほどである。

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Last Updated 19/Feb/2012 by mac