懐かしの9R59
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 9R59(きゅーあーるごーきゅー)はトリオ(現ケンウッド)が発売していた全波受信機である。初めて現物を見たのは今から三十数年前の1965年頃である。当時、アマチュア無線局用の受信機として人気があり、完成品だけではなくキットも売られていた。中波帯から30MHzまでのオールバンドで、それ以前の受信機は扇形ダイアルが多く、9R59の横行ダイアル機構は目新しいものであった。
 回路的には標準的な高1中2で、中間周波数の選択度改善のためにQマルチユニットが装備されていた。その後のSSB普及に伴い、9R59は周波数安定度不足、ハイバンドの感度不足、SSB受信回路不備等の弱点を改善するため、改造が施されるケースが多々あったようである。
 この9R59は所属クラブの所有物で、ハムフェアにおいて完動品として販売するためメンテナンスを引き受けたものであるが、やはり、SSB用にいくつかの改造が施されていた。残念ながら、Qマルチユニットが取り外されており、オリジナルへ戻すことが不可能であるため、現状のままで販売することになった。
 この受信機にはペアとなるTX88Aという送信機があり、私がアマチュア無線局を開局した1966年夏にキットで購入して組み立てた。開局当時、受信機に何を使っていたのか、定かではないが自作の高1中2か、あるいはそれ以前にやはりキットで組み立てたデリカの受信機だと思われる。
残念ながら、9R59は所有したことがないが、私にとってもそれなりに懐かしい受信機であるので、手元にあるうちに写真を撮っておいた。
回路図やマニュアルを示すのはいろいろな制約がありそうなので、インターネット上で見つけたサイトを紹介するに止める。
http://www.pembers.freeserve.co.uk/Shortwave/9R-59/index.html

9R59写真

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9R59正面
右下のスナップスイッチは小さなものへ交換されている。左下にスナップスイッチが追加されている。ダイアルは完動、ケースはそれなりに汚れているが、手入れすれば、きれいになるだろう。

9R59裏面
オリジナルな状態である。

9R59上部
バリコン、IFTはオリジナル、バリコン左のQマルチユニットは取り外されている。整流菅のあった場所が6BM8となっている。6AV6、6AQ5が外され、6AV6の代わりにスタビロとなっている。バリコン後ろにトランジスタ化された自作BFOが設置されているが、水晶はなく不動と思われる。トランスの前に、低圧DC電源用の電解コンがある。

9R59内部
真空管入れ替え等に伴う改造があるが、コイルパックはオリジナルのままである。

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15/Feb/2003 Copyright all revered by mac