807(ハチマルナナ)は無線ばかりではなく、オーディオ関係でもよく使われた戦前からある球である。アマチュア無線でも多用され、AM時代のメーカー製送信機にも使用されていた。CWでは1本で軽く50W以上の出力が得られるタフな球である。三十数年前にキットで製作した送信機のトリオTX88Aでも807が終段管として採用されていた。しかし、当時のキットでは真空管は別購入する必要があったが、田舎では簡単に807が手に入らず、テレビ球で代用した。その後、50MHzに本格的にQRVするためには807ではなく、当時の最新送信管である6146の方が都合がよかったので、6146を購入してTX88Aに挿した。余談だが、最初6146は安さにつられて中古球を購入したがペケをつかまされてしまい、泣く泣く箱入り新品のS2001(6146相当品)を購入し直した記憶がある。当時高校生だった私にとって、とても高い買い物についた。
そんなわけで、807は身近ではあったが、自分で使うこともなく、所有することもなかった。今から二十数年前に無線を再開した時には社会人になっており、金銭的にも余裕があり、特に使うあてもなかったがアメリカからの通販も含めて何本かの807を購入した。昔、買えなかった、あるいは使えなかったといううっぷん晴らしだったのかもしれない。
最近、真空管を使った高1中2受信機を製作してトランジスタ式送信機と組み合わせて10MHzでQRVしている。せっかく真空管式の高1中2受信機を作ったことであるし、やはりペアとなる送信機は807かなと思い始めた。幸い真空管はあるし、トランスやバリコン等も手持ちがある。やはりここは作らねばならないようである。無線再開後、真空管を使った送信機関係のものとしては数台のリニアアンプを作ったが、送信機自体は作ったことがない。昔のTX88Aはキットだったので、本格的な送信機は初めてである。もちろん、807も初めてである。
全て真空管で構成するというこだわりも特にないので、コンセプトは807をファイナルに使用した送信機となる。ペアとなる高1中2受信機の受信範囲が5MHz〜10.5MHzであるので7MHzと10MHzがカバーできればよい。発振は水晶を使ったVXO回路にして、ドライブまでをトランジスターで行い、ファイナルだけを807とする。出力はQRPとしたいので5Wとする。昔のCW送信機は能率の観点や変調機と組み合わせてAM送信機とするためにC級動作させるのが普通であった。今回はもちろんAM変調する必要がないのでドライブが楽なAB級とするが、一ひねりしたくなったのでA級動作させてみる。真空管ハンドブックによるとオーディオ用A級シングル動作ではプレート電圧350Vプレート電流66mAで10.8W出力となる。これをスペックダウンするとQRP5Wにちょうどよくなる。A級シングルなので、バイアスをカソード抵抗方式とすれば、マイナス電源も不要である。ただし、A級の場合、無信号時にも常時プレート電流が流れるので電源の利用効率が非常に悪くなる。特にQRPの場合、送信しているよりも受信している時間が圧倒的に長くなるのでこれは何とか改善したい。AB級リニアではスタンバイ時にはカットオフまでバイアスを深くするが、マイナス電源がないのでカソード抵抗を大きなものにしてカットオフできるか試してみる。
バラックセットを作り下記の項目について試験する。
・必要とするドライブパワー
・カソード抵抗によるカットオフ動作
・グリッド電流の挙動
・出力回路型式と出力
ハンドブックに動作例としてプレート電圧350V、スクリーン電圧250V、グリッドバイアス-18V、出力10.8Wがあったのでこれを元に試験してみる。この場合、無信号時のプレート電流が52mA、スクリーン電流が2.5mAである。昔の送信機はハイ・インピーダンスでファイナルをドライブしていたので、まわりこみや寄生発振についてかなりの注意が必要であった。以前、製作した真空管リニアでは入力パワーを数百オームのスワッピング抵抗で喰わせてその両端に発生する電圧でドライブした。この場合、入力側が低インピーダンスとなるため、まわりこみや寄生発振のリスクを回避することができる。今回もドライブ段の電力をスワッピング抵抗で喰わせる方式とする。トロイダル・コアを使った巻き線比1:3のステップアップトランスを考えているので、ドライブ段の出力インピーダンスを50オームとするとスワッピング抵抗は450オームとなる。必要な励振電圧を10V程度とするとドライブ段は0.2〜0.3Wあればよいことがわかる。トランジスタ式送信機ではVXO出力が約50mWあったので、0.3W程度ならば小出力トランジスター1段で簡単に実現できる。多分、パワーゲインは余裕があると思われるのでアッテネーターで調整することになる。
バラック装置で予備試験をした。250Vを両波整流して200uFのコンデンサーをかませたら、350Vが得られた。プレート、スクリーンに350Vを供給してカソード抵抗を500オームにしたらプレート電流は50mA流れた。グリッドは300オームの抵抗でアースに落としておく。カソード抵抗に15kオームをシリーズに接続するとプレート電流は3mAに減少した。この時のカソード電圧は46.5Vであった。カットオフ電圧はもう少し深いようである。これでカソード抵抗を切り替えれば無信号時のスタンバイ回路に使えることがわかった。
タンク回路用コイルは手持ちのトロイダル・コアを使い約6uHとなるように巻いた。巻き数は約30回であった。その上に2次側として4回巻いたので、インピーダンス比は50〜60程度になる。2次側を50オームでターミネートするとプレート側の負荷は2.5k〜3.0kオーム程度になる。同調用の100pFバリコンを接続してタンク回路を構成した。入力側は50オームの抵抗で受けた後、3dBパッドを3個並べて9dBアッテネートしてグリッドへ入力した。トランジスタ式送信機の10MHz5Wでドライブすると約5W出力が得られた。9dBアッテネートしているのでPGが9dBとなる勘定である。この時、プレート電流は30mAだったので効率約50%となり出来過ぎの感がある。バリコンを廻すと同調点で50mAから30mAにディップするので、完全A級ではなく、グリッド電流が流れる領域までスイングしていると思われる。タンク回路にトロイダルコアを使う是非があると思うが、直流磁化を考慮しておけば問題ないようである。ステップダウンする2次側の巻き数をもう少し増やしたいので別のコアを購入して再調整したい。出力には50オームインピーダンスの3段程度の定K型LPFを挿入することになる。入力側は球の入力キャパンタンスをキャンセルできるようにコイルとコンデンサーで構成したLPFを挿入するつもりである。
真空管送信機には電流計がつきものである。プレート電流を監視して同調操作をするが、今回はA級動作でありプレート電流はほとんど変化しないので出力を監視して同調とることになる。送信機出力インピーダンスは50オームなのでロングワイヤー等へ給電する場合はアンテナチューナーが必要となる。ダミー抵抗に喰わせた出力を高1中2受信機真空管受信機でモニターしたところ、トランジスタ式送信機単体との時と変わらないきれいなトーンであった。
バラックセットで試験している。使用しているのは東芝製の807
上記試験で、グリッドを50オームで終端したときのデータは入手出来たので、本来のステップアップ・トランスでのデータ取りをしてみた。トロイダルコアにトリファイラーで巻き線比1:3のトランスを作った。インピーダンス比は1:9となるので、50オームでドライブすると450オームで終端することになるが、手持ちの抵抗がなかったので1kオーム2本をバラにして500オームとした。
トランジスタ式送信機のバッファ段から50mWでドライブしたら約5Wが得られた。この時、プレート電圧320V、無信号時プレート電流48mA/信号時プレート電流45mA、カソード電圧25Vとなった。信号時と無信号時のプレート電流がほとんど変わらないので、A級動作になっているようである。
上記の試験から約50mWあれば、A級動作内で5W出力が得られることが分かった。送信機は7MHzと10MHzの2バンドとする予定である。サトー電気から7030kHzと10140kHzの水晶を通販で購入した。10MHzはすでにトランジスタ式送信機があるので、とりあえず、7030kHzの水晶を使ったVXO発振とバッファで構成された回路を作った。回路はトランジスタ式送信機のものを7MHzにアレンジして使った。VXOの可変範囲は7018〜7030kHzとなった。トランジスタは手持ちの2SC945を使ったが、出力は約30mWであった。バラックセットに装着して試験すると5Wちょうどとなったが、バンド切り替えのリレーやローパスを通すとこれではちよっと心許ない。部品箱を探したら2SC1906が出てきたので、バッファの2SC945と交換したら、80mWが得られた。
その後、10140kHz水晶を使い10MHz用回路も作った。出力はリレーで切り替え807のグリッドへ接続する。
生プリント基板をグランドにして部品を半田付けする。基板の切れ端を瞬間接着剤で接着したランドも利用する。この方法は非常に簡単に製作でき、なおかつ高周波的にも優れている。
本機で必要なコントロールはアンテナ切り替え、セミブレークイン、807カソード抵抗切り替え、VXO周波数受信時ダウンである。セミブレークインはアースへのキーイングを2SA1015で反転させ、コンデンサーと抵抗のタイマー回路を経てリレー駆動用トランジスターを制御している。807カソード切り替えは当初、リレーを考えていたが、コントロール回路のリレー駆動用トランジスターを併用することにした。カソード電圧は最大44Vなので制御するためにはVceoが60V程度のトランジスターでOKである。リレー駆動+カソード電流で200mA程度なのでIcは1Aもあれば足りる。本機ではジャンク箱にあった2SD635を使った。
VXO周波数受信時ダウンであるが、これはVXO回路のバリコンに50pF程度のコンデンサーを並列に接続して強制的に周波数を下げてしまうものである。送信機+受信機の組み合わせで運用する場合、受信周波数に送信周波数を合わせる必要がある。VXOだけを働かせて微弱電波を出し、受信しているCWと同じピッチになるようにVXOの同調ダイアルを操作する。しかし、そのままではビートがかかってしまい、受信出来なくなる。そうかといって、VXOの電源を切ってしまうと送信時、VXO電源の立ち上がりに送信周波数が変動するおそれがある。そのため、VXOには常時、電源を供給しておき、受信時には強制的に周波数を下げるようにすればQRHの恐れは少なくなる。
電源トランスは昔の漁業用無線機ジャンクからのとりはずした250V70mAのもので今回の用途にぴったりである。このトランスにはヒーター巻き線が2組あるので、シリーズに接続して0-6.3V3Aから807のヒーター、シリーズに接続した12.6Vを全波整流して低損失の12V定電圧レギュレーターをかませてDC電源とした。その関係から807のヒーターはアースに落とさずに使用することになる。B電源に入っている140kオームは807スクリーングリッドのブリーダー抵抗である。実際は807ソケット直近に配置する。
LPFは定K型3段である。設計周波数は10.1MHzであるので、7MHzと10MHz兼用となる。
807は全長147mmもあるので縦位置でケースに納めると、ケースの高さは200mm程度必要となる。今回はなるべくコンパクトに作りたかった。出来合のケースでは適当なものが見つからず、例によって市販アルミ・シャーシーをパネルで囲む形式で自作した。真空管、しかもA級動作なので発熱もかなりあるので、通風のため天井パネルと背面パネルは穴あきのものを使用した。パネルはLアングルとビス・ナットを使って接合してある。大きさはW150mm*H200mm*D200mmでパネルは1.5mm厚となっている。前面パネルに電流計用の穴明けをしてあるのでアルミ製の巣箱のような感じである。
部品配置を決めてシャーシー、パネルの穴あけをする。807のソケットは軍用無線機ジャンクのものを使用した。このソケットは埋め込みタイプなので、807のハカマの部分はシャーシーに沈み込むことになり、ガラス部だけがシャーシー上に露出することになる。VXO用のパリコンはジャンク出身の7連のギャ付きのものでダイアルシャフトは約1.5回転する。VXOの変化範囲が約20KHzなのでダイアルシャフト1回転が10数kHzとなり、他の減速機構は不要である。7MHzと10MHzは別々のVXO回路になっているので、その内の2セクションだけを使っている。シャーシーをパネルで囲んでしまうと部品の取り付けや半田付けが出来ないので、裸のシャーシーに必要な部品の取り付け、配線を済ませて、最後にパネルで囲むことになる。裸の状態で試験できるものは済ませておく。今回はVXOやコントロール回路がその対象である。
配線、組立が終了したら調整にかかる。B電源を外した状態でVXOとコントロール関係の確認を行う。バンド切り替え、セミブレークイン、VXO出力はOKであった。プレート回路に電流計を、アンテナ端子にはダミーロードを接続した。送信状態にして807のプレートチューンを廻すと出力が出るが、パリコンからパチパチと放電の音が聞こえてくる。500Vパリコンでは耐圧不足のようである。手早く7MHzと10MHzで出力をチェックすると目標としていた5Wが計測できて一安心であった。しかし、再計測中にパチッと音がしたとたん出力が1Wに低下してしまった。
原因として最初に思い浮かんだのはプレート同調回路に使用したトロイダルコアの破損である。しかし、1Wに低下しても同調はとれている。念のため、大きめのコアを探し出して新たに巻き直した。プレートに直接、接続していたパリコンも直流重畳を避けるために2kV耐圧のコンデンサーをシリーズに接続した。再トライしたが出力は相変わらず上がらない。コアを変えたせいなのかタンク回路のQが低くなり、ブロードになった感じがする。前のコアも別段壊れている様子もない。バラックセットの状態や最初の調整で得られた5Wは幻だったのであろうか。そういえば、5W出力時にはプレート電流はチューンすると若干ながら減少したが、1W出力時には若干であるが増加する。当初の目論見ではVXOだけの出力ではスワッピング抵抗をフルドライブできなかったはずである。ステップアップトランスとスワッピング抵抗廻りの配線を間違えて、結果的に807をハイインピーダンスドライブしていたかも知れない。プレート電流が減少したのはグリッド電流が流れる領域までスイングしていた可能性がある。しかし、調整中に出力が低下した疑問は残る。
スワッピング抵抗を500オームから1kオームに代えてみると出力は2W程度までアップした。この結果からすると明らかにドライブ不足である。ドライブ段を追加する必要がある。追加用のスペースもあるが、何とかVXO出力だけでドライブできないものであろうか。インピーダンス比1:9の入力トランスの後に同じく1:4のトランスを接続してトータル1:36のトランスとした。VXOの出力インピーダンスを100オームとすると数kオームのスワッピング抵抗が使えることになる。4.7kオームに代えてドライブすると7MHzではようやく5Wの出力が得られた。ただし、10MHzでは1Wだけである。しかも、受信機でチェックするとトーンが濁っている。どうやら寄生振動を起こしているようである。パリコンを廻すとプレート電流がランダムに変化する。グリッド回路のインピーダンスが高くなって悪影響が出始めたようである。当初のローインピーダンスドライブ構想が崩れたのでは仕方ない。プレート回路の配線引き回しを最短とし、スクリーンにもバラ止めを入れ、ブリーダー抵抗も220kオームから140kオームに代えた。これで動作が安定し、トーンの濁りも解消できたが、相変わらずパワーは出ない。その後、入力トランスをいろいろと巻き直して試してみた。10MHzでパワーが出るようになると7MHzでは下がってしまったり、球の入力キャパンタンスとトランスのインダクタンスの兼ね合いからか一筋縄には行かない。正攻法のドライブ段追加も頭に浮かんだが、トランスの試行錯誤を続けた。結局、フェライト系トロイダルコアの1次側に3ターン、2次側に14ターン巻いた入力トランスで7MHz、10MHzとも5W出力となった。結局、タンク回路も当初のコアを使ったものに作り替えた。
タンク回路用コイルはアミドン社のT-68-2を使い6uHとなるように30数ターン巻き、その上に2次側として耐熱電線を4ターン巻いてある。1次側と2次側の絶縁を確保しないと高圧ショートの危険性があるので注意すること。
プレートタンク回路同調時には若干プレート電流が増加するがこれでは同調指示には使えない。昔の送信機には同調指示用にネオン管を使っていたことを思い出した。ネオン管でも良いが、せっかく電流計の穴あけをしたので、電流計で出力指示タイプのものを作りたい。電流計は1mAなので、高周波出力をダイオードで整流して振らせることが出来そうである。ダイオード2本と0.01uFのコンデンサーを組み合わせて簡単な出力計を作った。ピックアップ・センサー代わりに数cmのリード線をつけてパネルに設置すると0.6mA程度の指示が得られた。ダミーロードに接続してある出力計と相似動作をしたので、これで同調指示計の出来上がりである。
7MHz/10MHzCW送信機
送信出力 7MHz 4.4W、10MHz 4.7W
送信周波数 7018〜7028kHz、10118kHz〜10135kHz
構成 2SC945(VXO)、2SC1906(ドライブ)、807(終段)
終段入力 送信時320V55mA、スタンバイ時350V3mA
コントロール プレート同調、VXO同調、セミブレークイン、バンド切り替え、キャリブレート
上段左からアンテナ端子、出力指示計、受信機端子
中段左からプレート同調、VXO同調
下段左から電源、パイロットLED、キージャック(小)、キージャック(大)、送信ボタン、バンド切り替え、キャリブレート
左2葉の写真はクリックすると大きな画像となります。
シャーシー内部には2バンドVXOを配置し、シャーシー上部にはコントロール基板、LPF基板を配置してある。メーター下にある赤いコアがタンクコイルである。
真空管式高1中2受信機と組み合わせてオペレートした。アンテナは2階のベランダに建てた全長5mの釣り竿アンテナ+自作オートチューナーである。バンド切り替えを7MHzとして、プレート同調を廻して出力計が振れるようにする。その状態でチューナーを合わせる。これを2回ほど繰り返すと送信機とチューナーの調整は完了である。ワッチすると北海道の局がいたので、キャリプレート・スイッチをONにしてVXO同調を廻して受信CWトーンと同じピッチとなるように調整する。これをキャリプレートと言うが、相手の周波数にこちらの送信機の周波数を合わせる操作である。相手側が狭帯域のフィルターを入れている場合、その帯域に入るように送信周波数をセットできないといくら呼んでも応答がないことになる。こちらはQRPでしかもプアーアンテナである。キャリプレートが合っていなくて応答がないのか、電波が弱くて応答がないのか判別できないのが辛いところである。前のQSOが終わったが、誰も呼んでいないようである。呼びかけると応答があり、高1中2と807送信機の組み合わせで念願の初QSOと相成った。599BKスタイルではなく、QTHや名前の交換までする普通のQSOである。約5分間のQSOであるが、受信機の周波数表示は20Hz低下していた。送信機はVXOなので送信周波数は安定している。送信周波数まで変動してしまうとQSOどころではなくなってしまう。無線を始めた1960年代の無線機では周波数安定度が悪く、送信から受信に移ると相手を捜して受信同調を取り直したものである。もちろん、相手側も同じ操作をしているので、十数キロサイクル離れた周波数でQSOしていることも珍しくなかった。
VXOの安定度を測定した。測定方法は実際のQSOを想定して短点を1分間送出して1分間受信というサイクルで全体の測定時間を5分間とし、送信から受信、受信から送信の切り替え時の送信周波数をカウンターで測定した。このVXOは受信の期間はバリコンに並列に50pFのコンデンサーが付加され強制的に発振周波数をダウンさせるようになっているので、受信時にもVXO自体は通電されている。しかし、送受の切り替え時には発振周波数も切り替わっていることになる。コールドスタート時の測定では5分間の間に30Hz程度変動してしまった。しかし、30分間程通電した後の測定では5分間の変動幅は5Hz程度であった。これであれば最新トランシーバーを相手にQSOしてもボロは出ないであろう。