6m Transverterの製作
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構成

本機は20m to 6m SSB/CWトランスバーターである。 当初、親機は自作20mトランシーバーであったが、親機のCW送信機能が不調がなってしまった。自作20mトランシーバー製作時のメモが散逸してしまい、トラブルシューティングに時間がかかりそうなので、我がシャックで唯一のメーカー製HFトランシーバーであるトリオTS-530Sを親機にすることにした。TS-530Sは出力管6146B2本を抜き、そこにFCZ14を使用したステップダウントランスを設置して2次側からトランスバーター用送信出力として14MHzで約500mWを得た。トランスバーター用送信出力はTS-530S背面へ付けたBNCジャックから外部へ出せるようにした。トランスバーターからの受信信号はTS-530Sのアンテナ端子を用いて入力している。TS-530Sはこの改造により、送信関係はトランスバーター親機としての機能しかなくなったが、受信関係はそのままなので自作のリファレンス用として利用している。
50MHzの受信信号はアンテナ切り替えリレーを経由して2SK241で増幅され、DBMで局発の36MHzとMIXした14MHzをTS-530Sへ供給する。TS-530Sのドライバー管12BY7Aで増幅された14MHz送信信号は、ステップダウントランスを経由してトランスバーターへ入力される。10dBのアッテネーターを通過した後、DBMで36MHz局発信号とMIXされ50MHZのバンドパス・フィルター、2SK241のプリアンプ、2SC1973ドライバーを経由して2SC1971で5Wまで増幅され、4段のLPFを通過してアンテナ切り替えリレーを経由してアンテナ端子へ導かれる。コントロールは親機の接点信号をもらい、アンテナ切り替えリレー、送受電源切り替えリレーを切り替えている。

局発基板の製作

局発は2SK125で簡単に済ませてある。局発周波数は36MHzで出力はスプリッターで送信用と受信用の2系統に分割される。電源回路に電流計を接続し、ドレイン電流がディップ最小手前になるようにコイルのコアを調整する。発振周波数がぴったり36.000MHzとならないと思うが、別段不都合もないのでそのままである。 気になる場合は調整用のトリマーバリコンを付加することになる。

写真上部は10dBアッテネーター、右側はアンテナ切り替えリレー、下部はスプリッターである。

RF基板の製作

受信は2SK241のRF1段にDBMのMIX回路である。2SK241は20数dBのゲインがあり、DBMの損失分を差し引いても10数dB確保できることになる。調整はFCZ50のコアを廻して最高感度にするだけである。送信系はTS-530Sからの入力が数百mWもあるので10dBアッテネーターを介してDBM、バンドパスフィルターと導く。これでようやく数dBmオーダーとなり2SK241で増幅する。ドライバーは2SC1973を使っている。このドライバー段はNFBをかけてあるので動作は非常に安定している。インピーダンスマッチングはFB801にバイファイラーで巻いた1:4のトランスを適宜組み合わせて行っている。

PA基板の製作

パワーアンプには2SC1971を使用している。この石はエミッターがフランジとなっていので、絶縁を気にしないで放熱が可能である。バイアス回路は定番である定電圧レギュレーターとシリコンダイオードの組み合わせである。無信号時のコレクター電流は50mA程度にセットする。受信時にもLPFを通したかったが、配置の関係で送信時だけとした。

調整

調整に必要な計測器は出力計とテスターだけでOKである。先ず、TS-530Sから14MHzの出力があることを確認する。トランスバーターとTS-530Sを接続して送信系統の各部に出力計を接続して出力が出るようにコイルのコアを調整するだけでOKとなる。最後にPAからの出力が5WとなればOKである。5W以上になった場合は適当なアッテネーターを2SK241の前か後ろに挿入して出力を調整する。

基板は3枚に分かれている。左上が局発、左下が受信関係と送信のドライバー段まで、右側がパワーアンプとLPFである。パワーアンプ基板の下の黒いものは放熱用のヒートシンクである。

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Last Update 12/May/2003 by mac