「古典球シングル直結アンプの実験」でいろいろな古典球を試してみたが、その中でもVT52が気になった。
残念ながら1本しか所有していなかったが、ステレオにしたらどのような音が出るのかと想いが募った。
秋葉原で探したら、所有しているのと同じHytron VT52があったので購入した。
写真左端の2本がVT52、同じHytronであるが、グローブの大きさが違う。
そうなると音出ししてみたくなる。
「VT52.com」のデータから220V29mA、BIAS -43.5Vをターゲットにしてみる。
VT52のフィラメントは7V1.18Aなので、10/VT25の7.25V1.25Aを流用できそうである。
そうであれば「VT25/VT25A Stereo Amplifier」をちょっとだけ改造すると実験できそうである。
改造箇所は
1 電源トランスの電圧を380Vから280Vへ変更
2 カソード抵抗をトータル4kオームへ変更
3 グリッド抵抗の390kの切り離し
4 カップリング・コンデンサーの短絡
5 整流管を5Y3から5V4に挿し換え
以上の5点で、前段とは直結となる。
回路図を下記に示す。
ノンクリップ出力は0.7Wとなった。
プレート-カソード間電圧が200Vでは余裕がなく、あと10V程度欲しいところである。
ノンクリップ出力は0.7Wなので1Wの特性はかなり無理があるが、0.5Wではそこそこの特性となっている。
歪率特性からもノンクリップ出力が0.7Wであることがわかる。
当然、ステレオ・アンプとして音出ししている。
素直な音というのが第一印象であった。
BGM的に小音量で聞いた場合でも、情報量が豊富である。
ただし、実際のアンプとして組む場合は、あと10V程度、B電源電圧に余裕が欲しいところである。