かれこれ20年以上も前に作った真空管アンプを引っ張り出し、パソコンに接続して聴いている。スピーカーも同じ頃、購入したフォスターのFE103を小型バスレフ箱に入れたモノである。
以前はもっと大きなスピーカーもあったが、処分してしまったし、CDプレーヤーも壊れて久しい。CDをiTunesでHDDに取り込んで聴いているが、これが私専用の唯一のオーディオ・セットである。
でも、パソコンのオーディオ・アウトからそのままアンプに入力するのもあまりにも安直なので、USB接続のDACを使っている。某オーディオ・サイトで評価の高かったEDIROL UA1-EXである。
出力段はVT25(10)又はVT25Aをシングルで使い、ドライブは6SL7SRPPのシンプルなアンプである。
トランス類はどれもこれも40歳以上で菅野、山水、Luxと懐かしいブランドである。
6SL7への電源供給ラインがR/L共通になっているが、別々にした方がよさそうである。
SYLVANIA製のVT25(10) (写真左)とVT25A (写真右)
プレートの長さに注目、VT25Aの方が倍も長い。
VT25(10)とVT25Aについてはhttp://blogs.yahoo.co.jp/fareastern_electric/838914.html
VT-2 VT-25 VT-25-A VT-52 に詳細な解説がある。
VT25(10)とVT25Aはフィラメントを点灯するとすぐに区別できる。
VT25(10) (写真 左側)
はトリニーテッドタングステンで電球のように光るが、VT25A (写真 右側)は酸化皮膜タングステンでほのかに点いている感じある。
HYTRON(写真左)とSYLVANIA(写真右)のVT25Aである。
プレートの大きさは変わらないが、同じST管の形状でも、SYLVANIAの方が一回り大きいグローブを使用している。
4本は全て10とマーキングされているが、メーカーによってこれだけの違いがある。
写真左端のRAYTHEONはプレートが箱形で、他の10の平べったいプレート形状との違いが特徴的である。
写真撮影時には判らなかったが、フィラメントを点灯してみたら、RAYTHEONは酸化皮膜タングステンであることが判った。他の10はトリニーテッドタングステンである。
シャーシーは2mm厚で20cm*30cmの裁断済みアルミパネルを木の枠で囲ったモノである。接合にはアルミLアングルを使っている。
そんな訳で普通のシャーシーであれば、側面に配置することが多い、入出力端子、スイッチ、ボリウム、電源コード、ヒューズがパネル上に並んでいる。
入出力特性と周波数特性を計測してみた。差してある球はHYTRONとSYLVANIAのVT25Aである。
WG、WSによる歪率の測定で本機の歪率を測定した。
このアンプを製作したのは、20年以上も前のことなので見直しをしてみた。
歪率は14kロードの方が良いが、負荷は7kロードに設定した。特性
出力がきれいなサイン波となっているのは1.2W程度まである。素直な周波数特性であるので、無理しないで小出力で聴くアンプである。
歪率特性
ただし、出力管はRAYTHEON VT25に差し替えてある。
典型的な無帰還シングル・アンプの傾向を示している。
見直しのポイントは、出力トランスHS-7の2次側4オーム端子に8オーム負荷を接続することにより、見かけ上、14kオームとしているがこれの検証と終段の信号ループの最短化
である。
入出力特性は7kロードの方が若干であるが、感度が高くなっている。
周波数特性は改造前よりも低域、高域とも改善されている。
また、7kロードの方がワイド・レンジとなっている。
7kロードの方が100kHz以上のアバレが抑えられている。
歪率特性は改造前と比べるとかなり改善されているが、14kロードの方が低歪みとなっている。
測定結果からも信号ループ最短化の効果が表れている。
試聴した結果でも一皮むけた感じがした。
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