Raspberry Pi Zero W とSSD、HDDの接続
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はじめに

Raspberry Pi Zero WとSSD、HDDを接続してみることにした。
当然、USB端子を利用して組み合わせることになるが、Raspberry Pi Zero W 側のUSB端子の電源出力に制限があると思われる。
そのため、単純に手持ちのSATA-USB 変換アダプターで接続しただけでは無理であると思われるが、トライしてみる。

SSDとの接続

最初からHDDでは敷居が高そうなので、まず最初はSSDで試してみた。
当然、ミュージック・サーバーでの使用を想定しているので、仮設で実験中のRaspberry Pi Zero W + UDA1334A DAC をベース機材とした。

左写真がセット・アップの状況で、使用したSSDはBanana Pro + ES9018K2M DACで 使用中の240GBのもので、ext4でフォーマットされ、楽曲ファイルが格納されている。
SSDに装着したSATA-USB 変換アダプターは、数年前に購入したHDD外付けケースのものである。

この状態で電源を投入すると特に問題なくRaspberry Pi Zero Wが立ち上がり、WiFi経由のSSHでアクセスできた。

なお、このベース機材へのOSインストール、USBデバイスの自動マウント設定等はRaspberry Pi Zero W + UDA1334A DAC を参照してもらいたい。

無事に立ち上がったので、dmesgでデバイスの状況を確認する。
pi@raspberrypi:~ $dmesg
[ 5.244160] scsi 0:0:0:0: Direct-Access TCSUNBOW X3 240GB R083 PQ
: 0 ANSI: 2 CCS [ 5.266149] sd 0:0:0:0: [sda] 468862128 512-byte logical blocks: (240 GB/224
GiB) [ 5.274306] sd 0:0:0:0: [sda] Write Protect is off
[ 5.277472] sd 0:0:0:0: [sda] Mode Sense: 28 00 00 00
[ 5.278639] sd 0:0:0:0: [sda] No Caching mode page found
[ 5.281857] sd 0:0:0:0: [sda] Assuming drive cache: write through
[ 5.288218] sda: sda1
USB端子に接続した240GBSSDは/dev/sda1として認識された。

USBデバイスは、/dev/mediaへ自動マウントされる設定となっているので確認する。
pi@raspberrypi:~ $ cd /media
pi@raspberrypi:/media $ ls -l
total 52
lrwxrwxrwx 1 root root 4 Apr 9 16:12 usb -> usb0
drwxr-xr-x 650 root root 24576 Feb 5 07:53 usb0
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb1
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb2
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb3
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb4
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb5
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb6
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb7
SSDはusb0となり、usbからリンクされていることがわかる。

sambaがインストールされているので、Win10PCから\\192.168.0.90へアクセスすると以下のようになり、usb又はusb0 で楽曲ファイルに到達できる。

SSD内にある楽曲を選択し、再生している最中に電源を切り、再投入すると先ほどの楽曲の続きを再生することができたので、SSDも 問題なく自動マウントされている。

HDDとの接続

いよいよHDDとの接続であるが、上述のSSD接続において、動作中にUSBケーブルを外し、しばらくして再接続したら、Raspberry Pi Zero Wが再起動してしまった。
多分、再接続の際に過大な突入電流が発生したものと思われるが、HDDはSSDよりは大きな動作電流が必要となるので心配である。
とりあえず、USB端子にext4でフォーマットされ、楽曲ファイルが格納されている1TBHDDをSATA-USB 変換アダプター経由で接続し、ベース機材の電源を投入してみた。
HDDからカチカチと変な音が出続けているが、Raspberry Pi Zero Wはブートが完了し、SSHでアクセスできたが、HDDは認識できなかった。
その後、何かの拍子にRaspberry Pi Zero Wは停止してしまった。
やはり、Raspberry Pi Zero WのUSB端子に直接、HDDを接続するのは無理なようである。

この原因であるが、USB端子からHDDを駆動する電力を供給できないとものと思われ、 HDDへ供給するための別電源を用意する必要がある。

SATA-USB 変換アダプターに別電源から供給できる市販品があるので、それらを用意すれば簡単であるが、手元の機材で代替品を作ることにした。
原理的には非常に簡単で、USBデバイスに接続されるケーブルの4本の線の内、赤色の電源ケーブルをカットし、別電源からデバイス側へ供給するだけである。

左写真は余っていたUSBケーブルを切断し、プラスチック・ケース内で接続したもので、HDDへ接続されるケーブルでは電源ラインの赤線は電源コネクターの+端子へ接続されている。
Raspberry Pi Zero W のUSB端子へ接続するケーブルでは、電源の赤線はカットされている。
残りの緑、白、黒の3線は2本のケーブル同士が接続されており、GNDの黒は電源コネクターの-端子にも接続する。
電源コネクターへはDC5Vアダプター等を接続する。

左写真が実験セットであるが、 非常に煩雑である。
ただし、これらを実際に 組み込む場合は接続ケーブル同士を直接、結線すれば、変換コネクター等は不要となり、DC5VアダプターもRaspberry Pi Zero Wと共用すれば不要となり、それなりにコンパクトになる。

今度は無事に立ち上がったので、dmesgでデバイスの状況を確認する。
pi@raspberrypi:~ $ dmesg
[ 38.942005] scsi host0: usb-storage 1-1:1.0
[ 40.026840] scsi 0:0:0:0: Direct-Access TOSHIBA MQ01ABD100 AX1P PQ: 0 ANSI: 2 CCS
[ 40.031061] sd 0:0:0:0: Attached scsi generic sg0 type 0
[ 40.072346] sd 0:0:0:0: [sda] 1953525168 512-byte logical blocks: (1.00 TB/932 GiB)
[ 40.073166] sd 0:0:0:0: [sda] Write Protect is off
[ 40.073194] sd 0:0:0:0: [sda] Mode Sense: 28 00 00 00
[ 40.073773] sd 0:0:0:0: [sda] No Caching mode page found
[ 40.073799] sd 0:0:0:0: [sda] Assuming drive cache: write through
[ 40.108696] sda: sda1
[ 40.120619] sd 0:0:0:0: [sda] Attached SCSI disk
USB端子に接続した1TBHDDは/dev/sda1として認識された。

USBデバイスは/dev/mediaへ自動マウントされるので確認する。
pi@raspberrypi:~ $ cd /media
pi@raspberrypi:/media $ ls -l
total 88
lrwxrwxrwx 1 root root 4 Apr 9 16:12 usb -> usb0
drwxr-xr-x 1365 root root 57344 Apr 14 06:51 usb0
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb1
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb2
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb3
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb4
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb5
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb6
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Apr 9 16:12 usb7
-rwxr--r-- 1 root root 347 Apr 15 16:26 'ネットワーク - ショートカット.lnk'
pi@raspberrypi:/media $
HDDはusb0となり、usbからリンクされていることがわかる。

まとめ

Raspberry Pi Zero WにHDD、SSDを接続することができ、格納してある楽曲ファイルを再生することができた。
また、SSDがSATA-USB 変換アダプターだけで接続できたのはラッキーである。
ただ、筆者は大容量のSDカードを使用し、楽曲ファイルもそこへ格納しているのに、わざわざ外部にHDD、SSDを接続する必要があるのだろうか。
しかし、余っているSSDやHDDの有効利用としてはありだと思われる。
その場合、SDカードは数GB程度とし、楽曲ファイルは外部のにHDD、SSDに格納することになり、NASの機能も併せ持つが、WiFiではアクセス速度が問題となりそうである。

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Last Update 18/Apr/2021 by mac