Voyage MPD vs Windows7
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音の違い?

下図においてSystem 1は、Voyage MPD 導入前の常用システムで、Windows7 PCに自作USB-DACを接続している。
このPCには音源ファイル格納用として1TB USB-HDDを接続している。
System 2は、Voyage MPD 導入後のシステムで、Windows7 PCと自作USB-DACの間にVoyage MPDがインストールされた組み込み用PCボードALIX3D2が挿入された形となった。
こちらも音源ファイルは1TB USB-HDDに格納された同じものをWindows7 PC経由で使用している。

USBケーブルをつなぎ替えるだけで、2つのシステムを聴き比べることができるので、家人をも動員して試してみたが、残念ながら明確な音の違いは分からなかった。

スペクトラムの測定

上述したように聴き比べでは、Voyage MPDとWindows7における音の違いを判別できなかったが、スペクトラムを測定したところ、明確な違いを観察することができた。
スペクトラムは、フリーソフトのWaveGeneWaveSpectraと24bit96kHzのADCを組み合わせると測定できる。
今回の測定システムを下図に示すが、詳細については「WG、WSによる歪率の測定」を参考にしてもらいたい。

WaveGeneにより44.1kHz16bit1kHz0dBFSサイン波のwavファイルを作り、1TB USB-HDDに格納した。
それを自作USB-DACでアナログに変換し、 そのアナログ信号をADC(EDROL UA1-EX)で再び、96kHz24bitのデジタル信号に変換し、NetBookPC(XP) にインストールしたWaveSpectraでスペクトラムを観測するわけである。

左の写真はADC(EDROL UA1-EX)、入力レベル調整用の可変抵抗器、WaveSpectraをインストールしたNetBooK(XP)である。
なお、商用電源由来のノイズを低減するために、NetBooK(XP)はACアダプターを外し内蔵バッテリーで動作させている。

測定結果

理想的なサイン波のスペクトラムがどのようになるのかを確認するために、WaveGeneで96kHz24bit1kHz0dBFSサイン波のwavファイルを作り、NetBooK(XP)にインストールしたWaveSpectraで開いてみた。
スペクトラムは基本波の1kHzのみで高調波は全くないのが分かる。


これは、Voyage MPDをインストールしたALIX3D2に接続したUSB-DACからアナログ出力し、ADCで再度、デジタルに変換し、NetBooK(XP)にインストールしたWaveSpectraで計測した44.1kHz16bit1kHz0dBFSサイン波である。
ADCが過剰入力となることを防ぐため、入力レベル調整用可変抵抗器で-10dB程度に絞ってある。
50Hzに-85dBの商用電源ハム、1kHzに-10dBの基本波、2kHzに-75dBの第2高調波、25kHz付近に-65dBの 正体不明の信号が観測できる。


次はDeskTopPC(Windows7)上の再生ソフトWFPで再生し、WaveSpectraで計測した波形である。
全体的な傾向はVoyage MPDと同じであるが、1kHz基本波に注目すると近接ノイズが増えていることが分かる。
理想的なスペクトラムでは基本波は1本の細い棒状となるが、USB-DACを通すとVoyage MPDでは裾野が広がり、Windows7ではそれがさらに広がっていることが分かる。


我が家のシステムにおける聴き比べでは、Voyage MPDとWindows7の違いは分からなかったが、44.1kHz16bit1kHz0dBFSサイン波のスペクトラムを計測した結果、これだけはっきりとした違いが表れたのには驚いた。
この違いがOSによるものなのか、PCによるものなのか確認するために、Mini-ITXを使用したPCにVoyage MPDをインストールしたもので測定してみた。
傾向はALIX3D2と同じであるが、50Hzが増え、-75dBとなっている。

まとめ

インストールしたPCが違ってもVoyage MPDでは、基本波の近接ノイズがWindows7よりも少なくなるようである。
また、ALIX3D2のアドバンテージとしては、やはり外付けDC電源でオペレートできる点ではなかろうか。
そのため、50HzハムのレベルがAC100V電源を内蔵したPCよりも少なくなるようである。

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Last Update 21/May/2012 by mac