タムラのライン・トランス TK-2 を入手したので、ぺるけ氏のサイトにある「秋月電子のDACキットを使ったトランス式USB DAC」を参考にしてUSB-DACを組み立ててみた。
すでに、このトランス式DACは「タムラのライン・トランスTpAs-10S」と組み合わせて常用システムで使用中である。
しかし、秋月のDAC-KITと組み合わせると二番煎じになってしまうので、かなり以前に購入して真空管バッファ・アンプと組み合わせていた「共立電子のUSBオーディオI/Fキット」を再利用してみることにした。
共立電子のKITも秋月電子のDACキットもD/A IC にはPCM2704が使用されているが、共立電子のKITはバス・パワーではなく自前の電源を用意する必要がある。
本来の共立電子のUSBオーディオI/FキットはPCM2704の出力をOPアンプで増幅していたが、すでに別のアンプと組み合わせるように改造していた。
今回はさらに基板上のカップリング・コンデンサーを撤去し、新たにカップリング・コンデンサーとして220uFの電解コンデンサーを装着した基板を作った。
それをOPアンプを外したICソケットの上に接着し、その出力を5Pラグ板に組み込んだLPFを経由してライン・トランス TK-2で昇圧することにする。
手持ち部品を流用したので、LPF用の150オーム抵抗は75オーム抵抗をシリーズにし、トランス2次側の抵抗は10kオームとした。
共立電子のUSBオーディオI/Fキットでは、PCM2704駆動用に2組の3.3V電源が必要であるが、以前の電源基板を流用・改造し、DC5VのACアダプターと組み合わせることにした。
PCにインストールしたefu氏のテスト信号発生ソフト WaveGeneで48kHz、16bitの
サイン波を発生させ、USB-DACのアナログ出力電圧を計測してみた。
周波数特性では超低域が若干、持ち上がっているが、非常にフラットであり、-20dBでもその傾向は変わらない。
歪率特性では100Hz、1kHz、10kHzがきれいに揃っている。
周波数特性、歪率特性とも傾向的には
「秋月のDAC-KITとタムラのライン・トランスTpAs-10Sとの組み合わせたDAC」と非常によく似ている。
本機は平衡出力となっているので「平衡型6N6P差動PP直結アンプ」と組み合わせて音出ししてみた。
最初の印象は「随分、ギシギシとした音だな」であり、「秋月のDAC-KITとタムラのライン・トランスTpAs-10Sとの組み合わせたDAC」と比較すると足下にも及ばない感じであった。
ところが我慢して使っているとどんどん音が良くなってきて、トランスにもエージングが必要だと言うことが実感できた。
低音は「秋月のDAC-KITとタムラのライン・トランスTpAs-10Sとの組み合わせたDAC」の方が一枚、上手の感じがするが、こちらもかなり使い込んでから、低音が充実してきているので、本機もこれからどのように変化するかが楽しみである。
リビングの常用DACは、すでにトランスの前に挿入するフィルダーをLCタイプにして好結果を得ている。
寝室で使用している本機もLCタイプに改造してみる。
下記に特性を示す。
1kHz0dBのサイン波を入力すると、出力はCRタイプでは1.94Vであったが、LCタイプでは
2.33Vへとアップした。
LCタイプでは超低域ではかなりの盛り上りがあり、高域はLCタイプの方が落ち込みが早くなっている。
歪率は「WG、WSによる歪率の測定」による計測であるが、LCタイプの方が良い結果となっている。
ただし、超低域の盛り上がりが気になるので、チューニングを追い込みたいと思う。
試聴するとリビングの常用DACと同じように明るくヌケの良い音となった。