秋月のUSB-DAC KIT + FET差動バッファ・アンプ その2
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プロローグ

USB-DAC KITに差動バッファ・アンプの組み合わせは、球式では「USB-DAC KIT + 真空管バッファ・アンプの製作」、半導体では、「秋月のUSB-DAC KIT + FET差動バッファ・アンプ」を製作している。
「秋月のUSB-DAC KIT + FET差動バッファ・アンプ」の方は、同僚に貸し出したら、気に入られて、同僚宅へ居付いてしまった。
やはり、手元にないと寂しくなるので、もう1台、作るつもりで、手持ちの部品をチェックしたら、2SK170でIDSSが10mA程度のものが6本ほど出てきた。
前回と同じでは面白くないので、これまた、ぺるけ氏のサイトにある「FET式差動ライン・プリ・アンプ」と組み合わせてみることにした。
筆者の環境では平衡出力が不要なので、こちらの方が簡便であり、「USB-DAC KIT + 真空管バッファ・アンプの製作」の真空管をFETに置き換えた形となるので、比較してみたい気もある。

組み立て

アンプ部はぺるけ氏のサイトにあるものと同じであるが、電源部は「秋月電子のDACキットを使ったFET差動バッファ式USB DAC」を借用したが、手持ち部品を活用したので、一部の部品定数はオリジナルとは異なっている。
手持ちの6Pと8Pのラグ板を使い、6PはRチャンネルのアンプ部、8PはLチャンネルのアンプ部と電源部を配置したが、端子が足りなくなり、プリント基板の切れ端をランドにして補っている。
ケースはタカチのYM-130(W:130mm H:30mm D:90mm)を使用した。

特性

下記はアンプ単体とそれにLPFを組み合わせた周波数特性である。
「秋月のUSB-DAC KIT + FET差動バッファ・アンプ」ではアンプにもLPFが組み込まれており、アンプ前置のLPFと組み合わされてトータルのLPFとして機能している。
しかし、本機の場合はアンプにはLPFが組み込まれていないが、高域の落ち込みが早めであり、LPFを組み合わせた周波数特性は「秋月電子のDACキットを使ったFET差動バッファ式USB DAC」とほぼ、同じとなった。
秋月DAC単体の出力電圧が0.66Vであったので、それを0dBとした。

次はWaveGeneで44.1kHz、16bitの0dBFSと-20dBFSの信号を発生させDAC出力電圧を計測したものである。
1kHz0dBFSにおける出力電圧は1.67Vとなり、LPF+FET差動アンプその2のゲインは2.53倍となった。

最後はWaveGene+WaveSpectrumで計測したDAC出力の歪率特性である。

エピローグ

結果的にPCM2704を使用したUSB-DAC KITにカスコード・タイプのFET差動、単なるFET差動(本機)、真空管(6DJ8)差動の3種類のバッファ・アンプを組み合わせてみたことになる。
下記に周波数特性と歪率特性(1kHz)を示す。
周波数特性ではバッファ・アンプのゲインの違いだけで、傾向的にはかなり似通っている。
1kHzの歪率特性ではカスコード・タイプのFET差動が0dBFSにおける数値が良くなっている。
気になる音であるが、カスコード・タイプのFET差動は手元にないので詳細には比較できないが、同じような傾向の音であると感じられた。

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Last Update 13/Sep/2013 by mac