PG帰還のいたずら
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超3結

「アンプ試作用シャーシー」を使い、12BH7A直結アンプを試作し、それを超3結アンプに改造してみた。
超3結ではPG帰還に3極管を使用するのが、特徴となっている。

筆者は左図Fig-1AのようにB電源から負荷抵抗(Rp)1本で前段プレートに供給する直結アンプを製作するが、Fig-1Bのように、その取り出しを出力段プレートに変更すると超3結におけるPG帰還に相当する部分が抵抗に置き換わったことになる。
「超3結アンプ」関連でネット検索すると、これに関連するコメントがあったが、実際にどのようになるのかについての詳細な解説は見あたらなかった。
「アンプ試作用シャーシー」で試作した12BH7A直結アンプは正にFig-1Aのような構成であるが、残念ながら超3結アンプに改造してしまった。
手持ちのアンプを調べると「コンパチブル・シングル直結アンプその2」がFig-1Aのような構成であるので、これで実験してみる。

回路

改造は下図の負荷抵抗75kオームを破線の位置から太線矢印の位置に変更するだけである。
負荷抵抗75kオームの取り出しをB電源から出力段プレートに変更することにより、電圧配分が若干、違ってくるが出力段カソードに挿入してある定電流回路が吸収してくれる。

測定結果

PG帰還により、ゲインは約6dBの減少となった。
DFはPG帰還なしのDF=4.6に対してPG帰還ありではDF=6.1となった。

PG帰還なし0.5Wの特性を緑色で示してある。
低域はありなしで違いは認められないが、高域はPG帰還ありの方が早くから落ち込んでいる。
0.5Wで-3dBの範囲は
PG帰還なし 15Hz-40kHz
PG帰還あり 15Hz-30kHz
である。

PG帰還なし1kHzの特性を緑色で示してある。
1kHzではPG帰還の方が全体的に低歪である。
PG帰還により、トータルNFBが増加しているので、その影響と思われる。

まとめ

PG帰還をかけたことにより、DFの増大、高域の落ち込み、歪率の低下と測定結果にもその違いが現れている。
試聴してみたが残念ながらその違いはよく判らなかった。

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Last Update 4/Jan/2012 by mac