NJM2073D BTL アンプ
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はじめに

新しく製作したMusic Serverに小出力アンプを組み込んでみることを思いついた。
このMusic Serverは5V単電源で動作するので、小出力アンプも5V単電源で動作させる必要がある。
また、BGM用なので出力は数百mWあれば十分なので、手持ちのNJM2073Dを使うことにした。

平衡入力アンプ

このMusic ServerのDACは平衡出力であるので、 BTLアンプも平衡入力にすれば、位相反転回路を省くことができる。
NJM2073Dのデータシートにある利得を制限したStreo回路の出力用コンデンサーを省きBTL接続してみた。
ただし、利得を制限するためにNFBを施すと、入力インピーダンスが10kオーム程度に低下するので、2SK30のソース・フォロワーを設けて、50kオームの4連ボリウムで音量調整を行っている。
このアンプは穴あき基板で作り、下記写真のようにMusic Serverに組み込んである。

このアンプはDACに接続して使用するので、192kHz24BITのサイン波をDACからアンプまで通してその出力を計測してみた。
1kHz0dBFSを再生し、8オーム負荷で出力電圧が1.5V(=0.28W)となるように音量調整して計測した。
周波数特性であるが、低域は全く問題ないが、高域はDAC単体と比較すると落ち込みが少ないので、アンプ自体の特性として高域が若干ではあるが持ち上がっているのかもしれない。
歪率特性ではアンプを通しているので、DAC単体よりは良くないが、それでもDAC単体と同様な傾向を示している。

本機は、Music Serverに組み込んで寝室で使用しているが、BGMとして 小音量で聴く分には、十分、用が足りており、発熱も少なく省エネである。

DS分割位相反転アンプ

上述した平衡入力アンプの結果が良かったので、もう1台、製作することにしたが、平衡入力用の4連ボリウムの手持ちがないので、普通の不平衡入力アンプとした。
実は不平衡入力アンプとしては、NJM2073Dのデータシートに記載されているBTLの利得低減アプリケーション例をバラックで製作してみたが、周波数特性を計測するとどういうわけか高域が持ち上がってしまった。
平衡入力アンプではそのような事がなかったので、FETによるDS分割位相反転回路を付加してみた。
この反転回路はアンプの入力インピーダンスを高める役目も兼ねている。
FETは2SK30GRで、IDSSが4mA程度のものから2本を選別したが、ドレイン側、ソース側に挿入した1kオームの両端の電圧は1Vで揃っている。
今回は、プリント生基板を全面アースにし、プリント板切れ端をランドとして瞬間接着剤で貼り付けて部品を半田付けした。
ICは裏返し、ピンに直接、リード線等を半田付けした。

特性は、平衡入力アンプと比較しやすいように同じMusic ServerのDAC出力を不平衡に変換して計測した。
計測方法は上述したとおりである。
周波数特性であるが、低域は平衡入力アンプと同じであるが、高域は若干の相違が認められる。
歪率特性では、、平衡入力アンプと比較すると、0dBで歪率が上昇している。

音を比較すると平衡入力アンプの方が好ましく感じられた。
Music Serverには、上述した平衡入力アンプを組み込んだので、本アンプはケースに入れてみたが、出力、音質も中途半端な感じであり、強いて使うとすればPCのモニター用であろうか。

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Last Update 22/Jul/2016 by mac