Voyage MuBox on BeagleBone Black
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はじめに

ネットでBeagleBone Blackについての情報を漁っていたら Voyage MuBoxというdistributionがあることがわかった。
これは筆者もすでに導入しているVoyage MPDのARM platforms用で、 BeagleBone Blackでも動作するようである。

すでにBeagleBone Blackにはdebian-wheezyとMPDを組み合わせてリビング用のMusic Serverとしているが、Voyage MuBoxを試してみる。

インストールにあたっては Voyage MuBox on BeagleBone Blackを試す(インストール編) を参考にさせていただいた。

準備

BeagleBone Blackブート用のマイクロSDカードを作成するわけであるか、この作業には
1. You need a Linux machine (could be x86, ARM based or any architecture)
2. a uSD card and a compatible card reader
が必要である。

筆者はVoyage MPDをインストールしたMini-ITX PC(x86)をNASとしているので、これを使用した。
ただし、実際の操作はLAN接続したWin7PCからSSHクライアントのTera Termで行った。
使用したマイクロSDカードはBUFFALO 4GBである。

当初、Linux machineにはx86であるMini-ITX PCを使用したが、その後、ARM basedである Raspberry Pi(OSはwheezy)でも問題なくマイクロSDカードの作成が出来ている。

写真はMini-ITX PCと使用したカード・リーダー(ELECOM)である。

マイクロSDカードへの書き込み

Mini-ITX PCへは、Win7PCからSSHでアクセスし、updateと必要なソフトをインストールする。
root@voyage:~# apt-get update
root@voyage:~# apt-get install curl dosfstools

次にマイクロSDカード書き込み用のスプリクトをVoyageのサイトからダウンロードする。
root@voyage:~# curl http://mirror.voyage.hk/download/voyage-mubox/beaglebone/install-mubox-beaglebone.sh > install-mubox-beaglebone.sh

ダウンロードしたスプリクトを実行できるように属性を変える。
root@voyage:~# chmod 755 install-mubox-beaglebone.sh

4GBのマイクロSDカードをカード・リーダーに装着し、Mini-ITX PCのUSBポートに挿し込み、dmesgコマンドでデバイス名を確認する。
root@voyage:~# dmesg
[25508.595192] sd 4:0:0:0: [sdb] 7698432 512-byte logical blocks: (3.94 GB/3.67 GiB)
[25508.595805] sd 4:0:0:0: [sdb] Write Protect is off
[25508.595830] sd 4:0:0:0: [sdb] Mode Sense: 03 00 00 00
[25508.596566] sd 4:0:0:0: [sdb] No Caching mode page present
[25508.596592] sd 4:0:0:0: [sdb] Assuming drive cache: write through
[25508.599816] sd 4:0:0:0: [sdb] No Caching mode page present
[25508.599845] sd 4:0:0:0: [sdb] Assuming drive cache: write through
[25508.600707] sdb: sdb1 sdb2
となり、デバイス名は/dev/sdbであることが判った。

以下のコマントで書き込みを行う。
root@voyage:~# ./install-mubox-beaglebone.sh /dev/sdb
下記のメッセージが出ると書き込み完了である。
Voyage MuBox for BeagleBone (Black) installed!

Voyage MuBoxの設定

書き込み済みのマイクロSDカードをBeagleBone Blackに装着し、DHCP環境下にあるLANケーブルも接続する。
装着したマイクロSDカードからブートさせるため、基板上のPOWERボタン(左写真の赤丸)を押しながら電源を供給する。

Win7PCからDHCPで割り当てられたIPにより、SSHで
User:root
Password:voyage
として アクセスする。
CUIでIPアドレス、/etc/fstab等を以下のように設定した。

★vi の変更を保存
voyage-mubox:~# remountrw

★日本時刻を設定
voyage-mubox:~# dpkg-reconfigure tzdata
Asia → Tokyo を選ぶ

★ .bashrc の編集
voyage-mubox:~# vi ./.bashrc
以下の行を追記する。
remountrw
mpd -kill
/etc/init.d/mpd start-create-dbremountrw

★IP アドレスの固定化
筆者はアドレスを192.168.0.86、ルーターは192.168.0.1とした。
voyage-mubox:~# vi /etc/network/interfaces
iface eth0 inet static
address 192.168.0.86
netmask 255.255.255.0
network 192.168.0.0
broadcast 192.168.0.255
gateway 192.168.0.1
dns-nameservers 192.168.0.1

★ntpdateによる時刻の自動修正
筆者の環境ではルーター(192.168.0.1)がかなり正確な時刻をもっているので、起動後、自動的に時刻合わせをするためにcrontabを編集した。
voyage-mubox:~#crontab -e
# m h dom mon dow command
#*/5 * * * * ( /etc/init.d/voyage-sync sync )
@reboot /usr/sbin/ntpdate 192.168.0.1

★/etc/fstabの設定
筆者は自作NASを使用しているので/etc/fstabに以下を記述した。
//192.168.0.95/Music /music cifs username=root,password=samba,uid=mpd,file_mode=0644,dir_mode=0755,iocharset=utf8 0 0

次は / に music ディレクトリーを作りマウントし、/var/lib/mpd/musicへリンクする。
# mkdir /music
# mount -a
# ln -s /music /var/lib/mpd/music

★ブートローダーの変更
最後に、POWERボタンを押さなくてもマイクロSDから起動できるようにブート・ローダーを変更する。
root@voyage-mubox:~# cd /
root@voyage-mubox:/# mount /dev/mmcblk1p1 /mnt
root@voyage-mubox:/# cd mnt
root@voyage-mubox:/mnt# tar cvf ~/bootloader_bakup.tar *
root@voyage-mubox:/# tar Jxvf boot-beaglebone.tar.xz -C mnt --no-same-owner MLO
u-boot.img
uEnv.txt
root@voyage-mubox:/# umount mnt
root@voyage-mubox:/

webサーバーによる設定

Voyage MuBoxではデフォルトでwebサーバーが動作しているので、WindowsPC等のブラウザーで、例えばDHCPで割り当てられたIPが「192.168.0.86」の場合、
http://192.168.0.86/
とタイプすればGUIで設定できる画面にアクセスできる。

これがLogin画面で
User:root
Password:voyage
である。

左がLogin後の画面である。
上部のタグにはInterfaces、Services、System、Tools、Helpがある。

それではInterfacesタブをクリックして固定IPに設定してみる。
画面のEthernetタブをクリックするとLANの設定項目が現れるで、以下のように設定した。
Choose IP: method Static
IP address: 192.168.0.86
Netmask: 255.255.255.0
Gateway: 192.168.0.1
Broadcast: 192.168.0.255
Primary DNS: 192.168.0.1
Secundary DNS:

次にServicesタブ→Music Player Daemonタブをクリックするとこの画面となる。
ここでは再生中の楽曲情報が表示され音量等のコントロールも可能であるが、NASに格納されている楽曲を選択して再生させるような機能はない。
下にスクロールすると/etc/mpd.confの設定が現れるが、Voyage MuBoxではデフォルトのままでも全く問題ないようである。

Systemタブ→Shutdown/Restartタブをクリックするとこの画面となる。
ここではBeagleBone Blackを停止させたり、再起動させることができる。

残念ながらwebサーバーによるGUIでは、例えばNASに格納した楽曲を認識させるために必要な/etc/fstabの設定は出来ないが、それなりに使えるのではないかと思われる。
RaspyFiでも完全ではないが、webサーバーによるGUI設定が可能であったが、これからはいろいろなdistributionでGUI設定がサポートされるのかもしれない。

まとめ

Voyage MuBoxに入れ替えてみたが、Music Serverとしては以前のdebian-wheezy+MPDよりも安定していると思われる。

手持ちのUSB-DACとの相性であるが、debian-wheezy+MPDではDN-USB DACだけは、44.1kHz16BITでも96kHz24BITでも再生音量が小さくなってしまったが、 Voyage MuBoxでは正常に再生できた。

Voyage MuBoxとmpdのバージョンは以下のとおりである。
root@voyage-mubox:~# uname -a
Linux voyage-mubox 3.12.0-1.voyage+ #6 SMP Mon Nov 11 18:11:27 HKT 2013 armv7l GNU/Linux

root@voyage-mubox:~# mpd -V
Music Player Daemon 0.18.4

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Last Update 31/Jan/2014 by mac