ANDBOX44 + MPD について
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はじめに

Linux + MPD でMusic Serverを作り音楽を楽しんでいるが、そのプラットフォームとして、x86系ではALIXAtom搭載のMini-ITX、ARM系ではRaspberry Piを使用してきた。
最近になってAndroid搭載の SmartTV BOX がMusic Serverのプラットフォームに使用され始め、ありがたいことにMPDに特化したOSイメージも公開されている。
そのような訳でネットにもそこそこ情報があったサンコー Android ネットTVプレーヤー ANDBOX44を購入してMusic Serverにしてみることにした。

ANDBOX44

ANDBOX44は
CPU:Cortex A8-Allwinner A10 1.5GHz
メモリー:1GB(DDR3)
内部ストレージ:約4GB
有線LAN、USBホスト2ポート、SDカードスロット
を有したSmartTV BOXである。
SDカードスロットにブートイメージを書き込んだSDカードを挿すと、これからブート可能であり、有線LANもあるのでNASから音楽データも引っ張ってくることができる。

ブート用のイメージはみすず工房さんで公開されているandroid-audio130114.img.7zを使用させていただいた。
ダウンロードした android-audio130114.img.7z を展開して4GBのSDカードに書き込むが 、その作業はWindows7PCで行った。
その詳細はRaspberry Piのいたずらに記載してあるので参考にしてもらいたい。

セットアップ

各種設定はLAN接続(DHCP)したWindowsPC等からSSHで行う必要がある。
まず、ANDBOX4にブートイメージを書き込んだSDカードを挿入し、つぎにDHCP環境にあるLANケーブルを接続した後、電源ケーブルを接続するとブートが始まる。
筆者はWindows7PC上でsshクライアントのTera Termを使用しており、DHCPサーバーで割り当てられるIPも分かっているので、これによりアクセスしている。

これはTera TermでIPを打ち込む画面である。
DHCPサーバーで割り当てられたIPを打ち込み OK をクリックする。

つぎに認証の画面となるので、
ユーザー名: root
パスワード: android
と打ち込み OK をクリックすると認証される。

認証されると以下のようなコメントが表示された。
Welcome to Ubuntu 12.04.1 LTS (GNU/Linux 3.0.52-t3_SmartTV_UAC2.0 armv7l)
* Documentation: https://help.ubuntu.com/
root@android:~#

# uname -a でOSの詳細を表示すると
Linux android 3.0.52-t3_SmartTV_UAC2.0 #17 PREEMPT Thu Jan 10 14:06:57 JST 2013 armv7l armv7l armv7l GNU/Linux
となった。

さらにmpdのバージョンを確認してみると
# mpd -V
mpd (MPD: Music Player Daemon) 0.18~git
と表示された。

セットアップその2

DHCPサーバーで割り当てられたIPは場合によっては変わってしまうので、IPを固定してみる。
以下のコマンドで /etc/network/interfaces を書き換える。
#iface eth0 inet dhcp をコメントアウトしてiface eth0 inet static 以下を追加した。

# vi /etc/network/interfaces
# interfaces(5) file used by ifup(8) and ifdown(8)
auto lo
iface lo inet loopback
auto eth0
#iface eth0 inet dhcp
iface eth0 inet static
address 192.168.0.90
netmask 255.255.255.0
gateway 192.168.0.1



音楽データは全て自作NASに格納してあるので、/etc/fstabを以下のように設定した。
# vi /etc/fstab
# UNCONFIGURED FSTAB FOR BASE SYSTEM
#//debian/public/music /music cifs username=root,password=,uid=mpd,file_mode=0666,dir_mode=0766,iocharset=utf8,rsize=130048,wsize=4096 0 0
//192.168.0.95/Music /music cifs username=root,password=samba,uid=mpd,file_mode=0644,dir_mode=0755,iocharset=utf8 0 0

次は / に music ディレクトリーを作りマウントし、/var/lib/mpd/musicへリンクする。
# mkdir /music
# mount -a
# ln -s /music /var/lib/mpd/music

android-audio130114.imgはMPDに特化してあるので、/etc/mpd.conf 等を編集する必要もなく、これだけでNASの音楽データをUSB-DAC経由で再生することができる。

USB-DACの動作確認

手持ちのUSB-DACをANDBOX44に接続して動作確認をしてみる。

●PCM2704
最初はTIのPCM2704を使用した自作トランス式DACである。
PCM2704は48/44.1kHz16BitのDACであり、44.1kHz16Bitの音楽ファイル再生は全く問題ない。
DACがどのように44.1kHz16Bitの音楽ファイルを再生してるかを以下のコマンドで確かめてみる。

# cat /proc/asound/card0/stream0
Burr-Brown from TI USB Audio DAC at usb-sw-ehci-1.1, full speed : USB Audio

Playback:
Status: Running
Interface = 1
Altset = 1
URBs = 3 [ 8 8 8 ]
Packet Size = 192 Momentary freq = 44100 Hz (0x2c.199a)
Interface 1
Altset 1
Format: S16_LE
Channels: 2
Endpoint: 2 OUT (ADAPTIVE)
Rates: 32000, 44100, 48000
Interface 1
Altset 2
Format: S16_LE
Channels: 1
Endpoint: 2 OUT (ADAPTIVE)
Rates: 32000, 44100, 48000

●DN-USB DAC
二番手は上海問屋のDN-USB DACで、バッファ・アンプと組み合わせて96kHz24BitのDACとして使用している。
96kHz24Bitの音楽ファイルを再生中に以下のコマントで確認してみた。
なお、44.1kHz16Bitでも96kHz24Bitでも再生には全く問題ない。

# cat /proc/asound/card0/stream0
Shin Kin DAC USB Audio at usb-sw-ehci-1.1, full speed : USB Audio

Playback:
Status: Running
Interface = 3
Altset = 2
URBs = 3 [ 8 8 8 ]
Packet Size = 582
Momentary freq = 96000 Hz (0x60.0000)
Interface 3
Altset 1
Format: S16_LE
Channels: 2
Endpoint: 3 OUT (ADAPTIVE)
Rates: 8000, 16000, 32000, 44100, 48000, 96000
Interface 3
Altset 2
Format: S24_3LE
Channels: 2
Endpoint: 3 OUT (ADAPTIVE)
Rates: 8000, 16000, 32000, 44100, 48000, 96000

●EDIROL UA-1EX
EDIROL UA-1EXは96kHz24Bitで再生可能なUSB-DACであるが、残念ながらANDBOX44では認識されなかった。

cat /proc/asound/cards
--- no soundcards ---

なお、EDIROL UA-1EXはALIXやRaspberry Piでは問題なく認識されている。

まとめ

気になるANDBOX44の音質であるが、DN-USB-DAC(96kHz24Bit) + FET差動バッファ・アンプを接続してALIXと比較してみた。
96kHz24Bitの音楽データで聞き比べてみたが、残念ながら筆者の駄耳では違いを見いだせなかったので、オーディオ・マニアの知人宅へ持ち込んで試聴してもらおうと思っている。

追補

ANDBOX44を halt コマンドで停止した後、再起動するために電源プラグを抜き差ししているが、この電源ジャックの耐久性が大丈夫であろうかと思ってしまう。
また、ANDBOX44付属の電源アダプターは5V1Aしかないため、バスパワーのUSB-DACにちゃんと供給できるかも疑問である。
それらを解消するためにスイッチ・ボックスを製作してみた。
回路は非常に簡単で、電源アダプターは5V3Aのものを使用し、スイッチで5Vのプラス・ラインをON-OFFしているだけであり、インジケーターとしてLEDを点灯させている。

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Last Update 27/Aug/2013 by mac