171A/71A シングル直結アンプ
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171A/71A

以前から使ってみたい球に71Aがあり、アメリカの真空管屋に注文したら、「71Aは在庫がないが、同等管のグローブ・シェープの171Aではいかがか」といわれて入手したものである。
今回もスクラッチから製作した訳ではなく、VT-25を挿してあった既存アンプを改造することにした。
この既存アンプで使った球は45、VT-25、今回の171Aであるが、171Aが一番、小ぶりである。
もちろん、STシェープの71AでもOKである。

回路

回路は前段に6AQ8を使用した2段直結シングルである。
171Aのフィラメントは5.0V0.25Aであるので、6.3V巻線をブリッジ整流し、5V1Aの定電圧ICを挿入してみた。
定電圧ICをフィラメント回路に使うのは初めてあるが、171Aのフィラメント電流はたったの0.25Aなので試してみることにした。
このICにおける損失は0.6W程度となるのでシャーシーに密着させてある。
ST-130には6.3V巻線が2組しかないので、6AQ8のヒーター用として、6.3V0.5Aのヒーター・トランスを使用している。
171Aの動作点は控えめの160V18.7mAで負荷は7kオームとし、フィラメントには定電流回路を挿入してある。

特性



NFBは2.5dB掛けてある。
ダンピング・ファクターはDF=4.0である。

各出力における-3dBの範囲は
0.125W:12Hz-72kHz
0.5W:24Hz-64kHz
となり、かなりワイド・レンジである。

高域は100kHz以上にあばれ がある。


100Hzの特性が良くない。
5%時の出力は1kHzで0.75W、10kHzで0.72W、100Hzで0.66Wとなった。


出力0.125Wで測定したクロストーク特性である。
残留雑音はRch:0.18mV、Lch:0.20mVとなっている。
20Hz-20kHzで60dBが確保できている。

まとめ

160V18.7mAという慎ましい動作の割には歪率5%で出力0.7Wを得ている。
フィラメントも5V0.25Aと扱いやすく、定電圧ICで問題なく点火できた。
回路構成が同じ45/VT-52 シングル直結アンプと比べてみると、本機の方が繊細ですっきりした感じである。

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Last Update 15/Jan/2012 by mac